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冷え性はアレルギーが主因である

冷え性はアレルギーが主因である

手足が温かいのに冷えを訴える患者が何人もいた。ここでいう冷えは、血行不良が先にあるのではなく、免疫系異常が誘発する基礎代謝量の減少と核心温度の低下によって起こる症状が冷え性である。

私は冷えは血行不良のことだと思っていた。しかし、冷え性対策で靴下を何重にしたり、熱い風呂に入ったり、過度なスポーツをしたりし一時的に末梢(まっしょう)に回る血液が多くなり体は暖かくなるが、やがて冷えが健康人よりも早く訪れ以前に増して不快感を招く冷えの悪循環となり冷え性対策に疑問をもった。

寒冷時は対外への熱放散を防止するため皮膚側の血流を少なくする。皮膚血流が少なくなる事は防寒対策として正常な生理機能である。

逆に皮膚の血流が多くなる事は、体の熱を放散して冷やそうとする生理機能であり、血流が少なくなるのは、体熱を奪われまいとする体の機能である。免疫異常が長い間続くと「皮膚血流の増加」で冷え性が起こる。

アレルギーになると、アレルゲン(引き起こす物質)によって皮膚や粘膜の毛細血管が拡張する。これによって血流増加と血管外への水分の漏出が皮膚の広い範囲で起こる。

血流増加は伝導・対流によって、水分の漏出は不感蒸散によって、皮膚から外部への熱放散が活発になり、体から熱が奪われていき深部体温が低下し冷えを感じる。

炎症物質にはヒスタミン・トロンボキサン・ロイコトリエンなどがある。アレルギー体質は、一年中ヒスタミンが血管内や消化器粘膜に大量に放出され、血管拡張作用によって皮膚血流が増大する。

次に炎症伝達物質によって毛細血管透過性が亢進し、水分の漏出も行われ、熱の放散が進み体を冷やそうとする。常に内臓を冷やそうとして手足は放熱のため温かいのである。

手足の冷えではなく、内臓の冷えである。内臓の冷えは外気温度が低くてなるのではなく、免疫系異常によって体内の温度調節システムが狂うために起きる。春・秋の環境変化が大きい季節ほど体機能アンバランスを生み出す。

それだけでなく核心温度の低下は酵素の働きも低下させる。冷えは年齢に関係なく低年齢の子供や若い世代の患者が増加している。年をとったので寒さに弱くなったとは異なる。

冷え性は手足の冷えではなく、内臓の冷えである。

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